年下皇帝の甘い誘惑
「そんなに緊張しなくてもいいよ。気軽にカイって呼んで。」

「ええっ!」

急いでアルッティさんに、助けを求めた。

「いいのでは?」

面白そうに笑っている。

「じゃあ、カイ。」

「何だい?」

呼び捨てにしても、普通に返事している。

「これから、宜しくお願いします。」

「こちらこそ。」

さっきのクセで、カイに握手を求めたら、アルッティさんに振り払われた。

「握手はまだ早い。」

「ええっ!」

握手に早いとか遅いとかあるの?

「ごめんね。外国から来たばかりの人とは、直ぐに握手できない決まりなんだ。」

「へえ……」

そうだよね。

誰でもほいほい握手してたら、誰にでも襲われちゃうもんね。

実際、今だってカイとは距離があるし。
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