君の笑顔
由美を起こさないようにそっとベランダに出た。

「もしもし?」

「今電話できる?」

「できるよ!」

松田との電話。

心が落ち着くんだ。

ほっとする。

寒い夜風が吹き付けてきたけど、心はほかほかする。


その日の電話は、ただ何となく、暇だったから電話をしてきたんだって。

松田は実家が遠く、大学の近くで下宿をしている。

毎晩一人で寂しいとか言ってたな。

なんでもない話して、笑いあった。

お笑い芸人の話。

オススメのお菓子の話。

おもしろい先生の話。

気付いたら夜中の0時を過ぎていた。
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