君の笑顔
家に帰らないためならどんな手段でも選ばなかった。

藤木は束縛が激しく、家にいるときの苦痛とたいして変わらなかった。

藤木と付き合って間もなく、ついに私と藤木が付き合っていることがバイト先に知れ渡った。

店長は社員とバイトの子が付き合うなんて、非常識過ぎると藤木を非難した。

私はこのことを後々彼氏となる勇人からきいた。

「もぅ、別れたい…」

藤木にそう告げた。

しかし、簡単には納得しなかった。

ラブホの一室で別れ話をきりだし、部屋を飛び出した。

すぐにメアドを変えた。

藤木からの番号を着拒した。

しばらくは平穏な日々が続いた。
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