君の笑顔
「メール…送ってみたら?」

ってアキが提案した。

「送れない…」

また泣けてきた。

「あ〜よしよし…大丈夫だよ。私がいるから」

優しく髪を撫でる。

アキの手の温もりが伝わる。


「ねぇ、由美…私の由美の好きなとこ、知ってる?」

私の目をじっと見ながら聞いてきた。

声も出さず、首だけ振った。

「現実的なとこだよ。どんな時でも、いろんな問題と向き合ってきたこと。由美は強い子なんだなぁって思ったよ。だからさ…今回も…。辛いと思うけど、現実と向き合おうよ。メール送ってさ、結果聞こう。由美にとって悪い結果だったら、由美の涙に付き合う。でも、松田って子にとって悪い結果だったら、一歩前に進もう。松田君に好きになってもらうように、頑張ろう」


告白するという現実が受け止められずに、放置されていたケータイをアキが持ってきた。

「はいっ」

私の手にケータイを握らせた。

「告白どうだった?って送ろう」

手が震えて、メールがうまく打てなかった。

まず、なんで私が松田が告白するってことを知っているのかは書かなきゃ。

結果はどうだった?ってことも。

大切な友達だから気になるってことも。

頑張って、震える手を落ち着かせながら、メールを打った。
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