君の笑顔
「舞岡さん!!俺、なんか言った…?」

学食から松田が飛び出してきた。

「ううん、松田は悪くないよ」

あっ、松田は煙草嫌いなんだよね。

火、消さなきゃ…。

灰皿に手を伸ばそうとした私に松田が言った。

「まだ、煙草残ってるじゃん。いいよ、吸っても」

「えっ、でも嫌いじゃん。風もあるし…」

「大丈夫だよ。もったいないでしょ?吸ってていいよ」

松田の優しさが胸に染みてくる。

「じゃあ、遠慮なく…」

半分ほど残っている煙草をまた吸いはじめた。
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