君の笑顔
「で、舞岡さんは?俺も話したんだから!舞岡さんも教えてよ!!」


松田の話が途中から耳に入ってこなかった。

松田は今真奈美ちゃんに夢中なんだ…

確認したい気持ちでいっぱいなんだよ。

松田の心の中に、友達の枠の中に私はちゃんと含まれているのか。


「ホストに告白されたんだけどね」


正直に話した。


「昨日だよ、告白されたの」

松田は黙ったまま、じっと私を見て聞いていた。

「まだ返事はしてないんだけど。引き受けちゃおっかな…」

武のこと…どっちかっていったら友達として好きなのかもしれない。

「舞岡さんはその人のこと好きなの?」

急に真面目な顔して、松田が聞いてきた。

「別に…そんなんじゃないよ。ただね…」

全く表情を崩さずに、私の方を見つめる松田。

松田の目が見れなくなった。

学食から見える駐車場に視線を移した。


自分でも聞こえないような小声で、ぼやいたんだ。


「なんか寂しいだけ…」

「えっ!?なんやって!?」


また身を乗り出して聞いてきた。

こんなの、聞かれたくないよ…
< 91 / 289 >

この作品をシェア

pagetop