ロミオとジュリエットは犬猿の仲
「あんまりここにいないほうがいいんじゃないかな?」


私が言うと彩はうなずいた。


私たちはそそくさと膝に置いたお弁当箱を持ち上げ
コソコソと忍び足でその場を後にしようとした。


悪い事してる訳じゃないのに・・・

なんか泥棒にでもなった気分だ・・・


しかし、再び聞こえてきた女の子の声に
私は立ち止まってしまった。


「だからその・・・ロミオ先輩が好きです!」


ロミオ・・・先輩・・・?


「ロミオって・・・!?」


思わず私は声を上げてしまった。


「シッーー!」


彩が自分の口元に人差し指を当てて
私に向かって声を出さないように合図した。



ご、ごめん・・・

口だけ動かし謝る。


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