キミと、光の彼方へ。
「今までは先輩のために、先輩の無念を晴らすために跳ぶんだって思ってた。けど、今、俺は自分の欲のために跳んでもいいんじゃないかって感じた。自分の中にある色んな感情から出来てるモヤモヤを無くすためには自分でちゃんと乗り越えなきゃならねえと思ったんだ。だから、俺は俺を越えるために跳ぶ。そして、その姿を桑島さんに届けたい」


私に...届けたい......?


「同じ気がする。桑島さんと俺、悩みの種は違うけど、その根本は似てるって勝手に思ってる。親近感じゃねえけど...いや、でもそうか......親近感、感じてるんだよ。だからさ、その傷を舐め合うんじゃなくて、一緒に乗り越えたいなって思ったんだ」


一緒に乗り越えたい...。

一緒に......か。


「うわっ、なんか俺めっちゃこっぱずかしいこといったわ...。最悪だ...。あ~!今のは無しだ!」

「無しじゃなくていい。私にはちゃんと伝わった。一緒に乗り越えたいって言ってくれて、ありがとう。...嬉しいよ」

「そ、そそ、そうか......。じゃあ、一緒に頑張ろうな!俺も頑張るから、桑島さんも頑張る。それで契約を結ぶ」

「契約?何それ?大げさだよ」


さっきからオーバーリアクションにもほどがある。


「大げさだっていいじゃねえか。大げさだからって俺と桑島さんの問題だ。誰にも迷惑かけない」

「考え方が独特過ぎる」

「そうか?」

「うん......。あははは!あはははっ!」

「何笑ってんだよ!」


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