キミと、光の彼方へ。
失恋
1週間後...。

私は砂良と一緒に海里の大会の応援にいった。


「ま、海里くらいの実力者なら、この島の1位には当然なれると思うけど」

「砂良、もしかしてこの前のことまだ引きずってる?」

「べっつに~。心からそう思ってますぅ」


砂良なりに海里をけちょんけちょんに言ったのを反省しているらしく、今日は海里に対して前向きな発言が多い。

砂良も素直じゃないところが多々あって、そういうところは私と似ていると思う。


「それにしても暑いわ~。財政難なのはわかるけど、競技場くらい屋根つけてほしい」

「確かに...」


今日は目覚めた時からお日様がギラギラと照りつけてきて、障子の隙間から漏れる光がいつもより明るくて、それで目覚めてしまった。

選手にとっては絶好の大会日和だけど、観客の私達からしたら、地獄以外の何物でもない。


「海里の登場、何時頃だっけ?」

「えっとね...10時20分、11時、13時10分」

「は?!どういうこと?!」

「50メートルの自由形とバタフライ、それとリレーに出るから3回出場になるんだ」

「それはいいけど、待機時間どーすんのよ!暑くて死ぬって」


とにかく暑さを気にする砂良。

恐らく暑いよりも日焼けの方が気になっていると思う。

黒の帽子にサングラス、アームカバーを着けてるから、もはや誰だか分からないくらいに重装備をしている。

格好だけは、一流女優みたいだ。


「その時は休憩スペースみたいなところで休んでるしかないよ」

「りょ~かい」


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