キミと、光の彼方へ。
―――パンッ!


ピストルの警戒な音が鳴り、選手が一斉に飛び込んだ。

最初は横並びだったのに、徐々に差が開いていく。

海里は...誰よりも前にいた。

フォームは芸術的な美しさがあり、腕だけでなく、指の先までピンと伸びている。

呼吸は流れるように行い、水をまとったかのように水と一体になり、どんどん加速していく。

そしてあっという間に壁に手を当てた。


「すっごー!ぶっちぎり1位じゃん!」

「本当に海里はすごいよ...」


カッコいい。

ただ、それだけ。

こんなにもカッコ良くて美しくてしなやかで芸術的な泳ぎが出来る人は他にいないだろう。

私はそんな幼なじみを持てたことを誇りに思う。

そして...やっぱり......好きだ。


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