キミと、光の彼方へ。
「私ね...ずっと迷子なんだ。幼い頃から方向音痴で、誰かに手を繋いでもらわないとふらふらと変な方向に行っちゃうの。それは今もそう...。私の目印だった人を...私...自分のせいで......手放しちゃったから......」

「それ、武波くんのことだよな?」

「うん...。やっぱバレてたね...」

「バレバレだ。桑嶋さんは、分かりやすすぎる」

「うん...」


涙を堪えて必死に言葉を紡ぐ。

もう吐き出さなきゃつぶれてしまいそうだから、私はまだ努力する。

伝えたい。

聞いてほしい。

碧海くんに。


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