キミと、光の彼方へ。
「よしっ。行こ」
「うん...」
碧海くんは私の腕を離さなかった。
しっかりと握って私の前を歩いてくれている。
何度見ても海里より小さくて細い背中。
でも、その背中からは凄まじい力と覚悟のようなものが感じられた。
碧海くんは、跳ぼうとしてくれてる。
私と一緒に乗り越えようとしてくれる。
だから、私はその背中を信じる。
自分の思いも乗せて跳んでくれる日が来ることを祈る。
碧海くん。
私、今度こそ、頑張るよ。
もう、逃げない。
向き合うよ。
だから、一緒に行こう。
高い壁のその先の未来に...。
15分くらい歩いただろうか。
その間に花火はクライマックスを迎えてしまった。
島民たちがそれぞれの家に向かう中、海に視線を向けたままの3人がいた。
「あっ!お姉ちゃんだ!」
気配を感じたのか、蛍光ピンクのカチューシャの少女が私に向かって走ってくる。
間違いない。
私の妹だ。
「お姉ちゃんっ!」
勢い良く飛びつき、わんわん泣き出した。
「ごめんね、砂汐奈。お姉ちゃん迷子になっちゃった。バカだね。でも、りんご飴もたこ焼きも買ってきたから許して」
「うん!許すよ~!」
泣きわめく砂汐奈の手を強く握り、私は砂良たちの元へと歩いた。
「ちょっと~!16になって迷子ってどういうこと?」
「ごめんごめん」
「ってか、目、めっちゃ腫れてるし」
「珠汐奈ちゃん、蜂に刺されたのか?」
私は首を大きく横に振った。
「迷子になって悲しくなって泣いちゃったんだ。恥ずかしいよね」
「マジではずいわ」
「おれ、こんな大人にはなりたくない」
「こらっ!それはいくらなんでも言い過ぎっ!」
賑やかな笑い声や叫び声が懐かしい。
戻って来られて本当に良かった。
溺れずに済んだのは、今も逆方向で私を見守ってくれている彼が、私の腕をしっかり掴んでくれたからだ。
ありがとう、碧海くん。
心の中でそう呟いたのだった。
「うん...」
碧海くんは私の腕を離さなかった。
しっかりと握って私の前を歩いてくれている。
何度見ても海里より小さくて細い背中。
でも、その背中からは凄まじい力と覚悟のようなものが感じられた。
碧海くんは、跳ぼうとしてくれてる。
私と一緒に乗り越えようとしてくれる。
だから、私はその背中を信じる。
自分の思いも乗せて跳んでくれる日が来ることを祈る。
碧海くん。
私、今度こそ、頑張るよ。
もう、逃げない。
向き合うよ。
だから、一緒に行こう。
高い壁のその先の未来に...。
15分くらい歩いただろうか。
その間に花火はクライマックスを迎えてしまった。
島民たちがそれぞれの家に向かう中、海に視線を向けたままの3人がいた。
「あっ!お姉ちゃんだ!」
気配を感じたのか、蛍光ピンクのカチューシャの少女が私に向かって走ってくる。
間違いない。
私の妹だ。
「お姉ちゃんっ!」
勢い良く飛びつき、わんわん泣き出した。
「ごめんね、砂汐奈。お姉ちゃん迷子になっちゃった。バカだね。でも、りんご飴もたこ焼きも買ってきたから許して」
「うん!許すよ~!」
泣きわめく砂汐奈の手を強く握り、私は砂良たちの元へと歩いた。
「ちょっと~!16になって迷子ってどういうこと?」
「ごめんごめん」
「ってか、目、めっちゃ腫れてるし」
「珠汐奈ちゃん、蜂に刺されたのか?」
私は首を大きく横に振った。
「迷子になって悲しくなって泣いちゃったんだ。恥ずかしいよね」
「マジではずいわ」
「おれ、こんな大人にはなりたくない」
「こらっ!それはいくらなんでも言い過ぎっ!」
賑やかな笑い声や叫び声が懐かしい。
戻って来られて本当に良かった。
溺れずに済んだのは、今も逆方向で私を見守ってくれている彼が、私の腕をしっかり掴んでくれたからだ。
ありがとう、碧海くん。
心の中でそう呟いたのだった。