キミと、光の彼方へ。
海里が毎年父の命日にお墓参りをしてくれていることは知っていた。

昔は一緒に行っていたのだけれど、中学に入ってからは海里と時間が合わなくなり、バラバラに来るようになっていた。

今日も海里は線香を供え、花を上げてくれた。

そして、小さい子は苦手なはずなのに、一生懸命砂汐奈の相手をしながら、帰ってきてくれた。


「海里くん、ありがと!」

「うん。またね、砂汐奈ちゃん」

「うんっ!バイバーイ!」


それで帰ると思っていた。

しかし、海里は私に目線を流してきた。


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