キミと、光の彼方へ。
「話がある。これから少しいいか?」

「あっ...うん...」


私は砂汐奈にちょっと行ってくると言い、海里と共にビーチの方へと向かった。

その道中私達は1度も会話をせず、私が海里の2歩後ろを歩いた。

お墓参りをしていた時より風は凪いできていた。

1週間ほど前の夏祭りで碧海くんと花火を見上げた位置まで来ると、海里は突然立ち止まり、私の方を向いた。

ザブーン波が寄せ、ザザーと引いていく。

耳をこだます波音と微かに香る潮の香りが私の体内に入り込む。

海の近くで海と1つになったような不思議な感覚に陥っていると、海里が頭を下げた。


< 159 / 300 >

この作品をシェア

pagetop