キミと、光の彼方へ。
「この前はすまなかった」

「えっ?ちょ、ちょっと海里!止めてよ。海里は何も悪いことしてないじゃん」


海里は頭を上げて、私の目を見つめた。

海里の瞳は、いつ見てもダイヤモンドのように透き通っていて美しい。

私はその気迫に息を飲んだ。


「自分のその時の感情に任せて一方的に突き放してしまった。珠汐奈の話をまともに聞かなかったオレが悪い。だから、謝らせてほしい。本当にごめん」

「うん......分かった。もう、いいよ」


いくら謝られても、私の気持ちは変わらない。

そんな簡単に変えられるものじゃない。

だって私はずっとこの気持ちを声に出来ずに、近くて遠い所から海里を見てきたから。

海里を想った時間に比例して、私は海里への気持ちを忘れられなくなっていく。

忘れたくないと想ってしまう。

その想いを抱えたまま生きるのは、もう苦しすぎると分かった。

だから私は伝える。

今度こそ、嘘はつかない。


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