キミと、光の彼方へ。
16年一緒にいて、初めてはっきりと自分の気持ちを言えた瞬間だった。

海里はうんと頷いて、答えた。


「ごめん...オレ、好きな人がいる」


海里の口からもやっと明確な返事が聞けた。

そして、その瞬間、私の心の真ん中にピキッとヒビが入り、次第に全体に広がり、パリパリと割れ始めた。

割れた破片はまるで魚のうろこのように、細かくてキラキラと遠慮がちに光っているように思えた。

その光は誰かを想えば想うほどに強く光って血液に溶けて全身を回り、やがて消えていく。

刹那的に移ろい行く心はまばゆく、そして、儚い。

私は、切なくて苦しくて少し痛くて、でもなぜだか、ほんの少しだけ胸の奥がじんわり暖かかった。


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