キミと、光の彼方へ。
「どうした?」

「あ、いや...なんでもない」

「なんでもないは卒業しろよ。何かあったら、言う。それ、約束しただろ」


そうだ。

また忘れてしまっていた。

意識しないと元の自分に戻ってしまう。

気を引き締め直そう。


「なんか背中が痛いっていうか、なんていうか...」

「おい、マジかよ?!どんな風に痛いんだ?折れてたら大変だぞ!」

「いや、一瞬だけだから。今はなんともないし」

「本当か?」

「ほんとほんと。大丈夫」

「また痛くなったらちゃんと言えよ」

「分かってる。碧海くんって過保護すぎだよね」

「過保護なの、桑嶋さん限定だから」

「...は?」

「いいから、行くぞ。さっさと手当てしないと、菌が全身にまわっちまうから」

「それは大げさだって」

「大げさじゃねえよ!ったく、心配してるんだから、んなこと言うなよ」


とまあ、こんな感じで、グチグチ言われ、私もそれに切り返しながら早歩きをし、保健室にやって来た。

しかし、生憎養護教諭は不在。

しっかり最終日も夏休みだった。


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