キミと、光の彼方へ。
「桑嶋さん、そこ座って」

「私自分で出来るから、大丈夫だよ」

「だーかーら、そーゆーとこだって」

「何が?」


碧海くんがガーゼを水に濡らして絞り、私に投げてきた。


「うわっ」

「ナイスコントロール、だな」


自画自賛。

碧海くんは、ちょっとナルシスト気質かもしれない。

この手の人間はかなり面倒くさいと、内心思いながらも、受け取ったガーゼで傷口を優しく拭き、碧海くんが来るのをおとなしく待った。


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