キミと、光の彼方へ。
―――タンタンタンタタタタタ...。

―――ガコン...。


バーが外れた。

でも、背面跳びは出来ていた。

後少し高く跳べば、越えられそうな気がする。

私は両手を組んだ。

碧海くんは直ぐ様戻り、スタートの構えに入る。

軽やかでリズミカルな助走はまるで愉快な音楽を聴いているかのよう。

しかし、実際はそんな穏やかなものではなくて、もっとトゲトゲした闘争心の権化だ。

背中をバーに向ける。


―――ガコン。


「くそっ!」


碧海くんの心の波長が細かくて大きな波を打っているのが見えた。

私は居ても立ってもいられなくなり、声を上げた。


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