キミと、光の彼方へ。
気がした......だけだったのかもしれない。

でも、私の目は確かに捉えたんだ。

それはまるで陸の上の人を想う人魚のようだった。


「いやぁ、マジで嬉しいわ!これもきっと桑嶋さんのお陰だな!」

「そ、そう?私は別に何も...」

「んなこと、ねえよ。跳ぶ前にあんなに熱い言葉をもらったんだぜ?あれで俺は百万馬力になったんだ。やっぱ言霊ってすげえな」

「そうだね」


海の側の国道を歩く帰り道。

碧海くんは嬉しさのあまり、私の異変には気づいていない様子。

ある意味それはそれで良かったのだけど、でもどうしても彼女が気になって仕方がなかった。

もし私の勘違いでなかったとしたら、彼女はきっと......。


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