キミと、光の彼方へ。
碧海くんと黙って歩くのは初めてな気がする。

いつも私が黙っても話しかけてくれるから、いつの間にか時間が経ってるんだ。

初めて感じる静寂。

海里といる時は心地よく感じるのに、今は歯に何かが詰まったかのような微妙な違和感がある。

ふと隣を見ると、碧海くんの足がたまに止まったり、ゆっくりになったりしていることに気づいた。

先を行くことなく合わせてくれる。

そして、今は私の違和感を感じてなんとなく間を取ってくれてるんだ。

私、もしかしてすごく気を遣わせてしまっているのかもしれない。

そう思った時、びゅーっと潮風が拭いてきて私の頬を撫でた。


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