キミと、光の彼方へ。
その日の昼休み。

砂良に今までのことを全て伝えた。


「そっか...フラれたか」

「うん」

「でも、珠汐奈がちゃんと気持ち伝えられて良かったよ。アタシ本気で珠汐奈は一生気持ち締まったままにしておくのかなって心配してたから」

「伝えられたから、すっきりした。言わないまま抱え込んでたら潰れてたと思うから言えて良かった」

「そっか...うん...珠汐奈良く頑張ったね...」

「ちょっと砂良、泣くようなことじゃないでしょ」


砂良は鼻をずるずる啜っている。

感情を隠すことがとことん苦手だから、仕方がないけど、突然泣き出すものだから、周りのクラスメートには白い目で見られた。


「砂良、落ち着いて」

「だって、珠汐奈は1人で頑張ってたのにアタシなんも出来なかった。今更だけど、アイツを殴ってやりたい。珠汐奈を振ったお前はバカだって言いたい」

「砂良...」


私は砂良の背中をさすってあげた。

私のために悲しんでくれて、こんなに泣いてくれてありがとう。

そして、もっと頼るべきだった。

私にはこんなに良い友達がいるのに、私は全部自分1人でなんとかしようとして空回りしてしまったから。

昨日碧海くんに言われた言葉を思い出す。


―――人に甘えること、覚えた方がいい。


本当にその通りだ。

アドバイスが的確過ぎて、ちょっと悔しい。

でも、甘えてみる、頼ってみることも大事だと分かった。

悩みとか痛みとかを共有することが相手に負担を与えてしまうとばかり考えていたけれど、決してそうではないんだ。

逆に、分かち合うことでそれを乗り越えようと一緒に頑張ることが出来る。

私は砂良に言った。


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