キミと、光の彼方へ。
私は2人を見つめた。

対照的な2人。

同じクラスにならなかったら、私がいなければ、関わることはなかったと思う。

海里と仲良くしてほしいと頼んだ訳でもないのに、いつの間にか彼は"海里"と名前で呼んでいた。

海里は去年の夏休み明けに突然キョリを縮めようとしてきた彼にかなり驚いていたようだってけれど、時の流れと共に順応していったみたいで、今ではこんな感じで、お互いに無いものを補いながら上手く過ごしている。

私はそれを嬉しくも切なくも思っている。

だって、海里にとっては自分の想い人と付き合っている男にわざわざ近寄られたようなもので、嫌味とも取れなくもない。

古傷をかきむしられるかのようだし、きっと私が海里と同じ状況ならば、耐えられないだろう。

それでも海里は彼を受け入れて一緒にいる。

おそらくそれだけのメリットが彼にあるからだ。

それは私もなんとなく分かる。


< 220 / 300 >

この作品をシェア

pagetop