キミと、光の彼方へ。
「お疲れ様です。帆栄先輩」

「なんか、変な気分...」


フってやると息巻いていたのに、フラれたし、しかも自分の行動が全部無意味になっちゃったからね。

思い出して落ち込むのも無理ない。


「水泳部はもう部活終わり?」

「はい。今日は午前までで、今度の地方大会に向けて験担ぎってことで、これから2人でカツ丼食べに行くんです」

「へぇ」

「そ、そうなんだ...」


会沢さんの切り替えの早さに脱帽した。

この子、惚れっぽい性格なんじゃないのかな。

海里が少し心配になる。


「なので、私達行きますね。では、また」

「じゃ」


2人の身長差がざっと見25センチ。

この凸凹カップルに、不安しかない。

でも、本人達が幸せならそれが1番だ。

私はつべこべ言わず、目の前のことに集中しよう。


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