キミと、光の彼方へ。
いつもと変わらぬ国道を、いつものように絶え間なく話しながら帰る。

左を見れば空と海と白いボートが何隻か見えて、右を見れば帆栄がいる。

今日で夏休みが終わり、明日からまた学校が再開する。

私の夢も帆栄の夢も、まだ遠い未来にある。

夢じゃなくて現実に出来るように、私達はこれからも険しい道を歩いていくしかない。

地上の道は茨で、掻き分けても掻き分けても前が見えないこともあるだろう。

だけど、道は消えることはない。

泡になって全て消えてしまう海の中とは違う。

確かにある道を、私は今並んで歩く彼と一緒に歩いて行くんだ。

1人じゃない。

大切な人が側にいてくれる。

私が迷えば、手を重ねて舵を切ってくれる。

私が海に落ちてもその手を引いてくれる。

また陸に戻してくれる。

だから、大丈夫。

私は歩いて行ける。


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