キミと、光の彼方へ。
雨音
6月に入り、雨の日が多くなった。

来月のテストに向けて真面目に勉強をしている人もいれば、寝るには絶好の環境に転た寝をしている人もちらほら見受けられる。

私はわりと雨が好き。

雨のしとしとと降るリズムとか、たまに聞こえてくる蛙の合唱とか、雨を通して生き物が奏でるメロディーに私は心を盗まれてしまう。

そして、雨上がりのあの独特な匂いを吸い込むと島中の洗濯が終わったんだなって感じる。

私の心まできれいさっぱり洗い流されたような気がして、すごくすっきりした気分になるんだ。

雲間から光が洩れてきて、静かに町を照らしていき、やがて空には大きな橋がかかる。

それを見たときは、心がまるっきり空に連れ去られ、何分間もその場から動けなくなる。

そのくらい、雨も雨によってもたらされる全ての事象も、私は愛でている。

だから、私は雨の日でも寝るなんていうそんなもったいないことはしない。

隣の彼のように...。

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