キミと、光の彼方へ。
「ほんとごめん。色々と迷惑かけちゃって」

「謝るくらいなら、最初っから迷惑行為するなよなぁ」

「うん...ごめん」


結局、私は碧海くんに助けられた。

傘を貸すって言われて、それを断ったら「じゃあ一緒に帰らせろ」とそう言われて今に至る。

雨だから部活が早く終わって帰ろうとしていたところに、私がたまたま通りかかったみたい。

私は保健室でタオルを借り、ジャージに着替えた。

その間、碧海くんはずっと教室で課題をやって待っていてくれた。

つまり、碧海くんは、悪い人じゃない。

その仮説が今日改めて立証されたのだ。

そして、今も私の方に7割傘を差し、自分はウィンドブレーカーのフードを被って雨を凌いでいた。


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