キミと、光の彼方へ。
「俺、中学時代は今より何倍も何十倍も真面目でさ...すっげえ憧れてた先輩がいたんだ。

その先輩、実は地区大会の3日前に事故に遭って大会に出られなくなって。地方とか、もしかしたら全国いけるかもって言われてたのに、突然未来も希望も失っちまったんだよ。

俺はその先輩が行けなかった舞台に立って記録を残したいって思って、必死に頑張った。

毎日毎日何十本も跳んでさ、ホントトビウオかってくらい跳んで...。

そしたら疲労骨折して1ヶ月間練習を禁止された。

でも、俺我慢できなくて練習に向かったんだよな。

俺は跳べるって、怪我してたって跳べるって......自意識過剰だった。

足首が完全に治らないうちに、助走して跳ぶ体勢に入ったら、バランス崩してポールにぶつかってそのまま真っ逆さまに落ちた。

怪我は悪化させるし、精神的に弱っちまって跳べなくなったんだよな。

つまり...俺は弱いヤツなんだ」


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