キミと、光の彼方へ。
弱いヤツ...。

本当にそうなのだろうか。


「ま、色々あったけど、このまんまだと自分が嫌になるし、環境変えればまた跳べるんじゃないかってふと思ったんだよ。

で、島に来て下宿生活しながら練習してるわけ」

「そう...」


なんて言ってあげるのが、この場合の正解なのだろう。

碧海くんのプラスになるような言葉をかけてあげたいのに、脳内の言葉捜索が難航している。

自分でも驚くくらい、全然何も出てこない。


「つうか俺、めっちゃベラベラしゃべっちまった...。一方的に暗い話聞かせてごめんな」

「いや...別に......」


それだけじゃない。

伝えたいことはもっとあるはず。

でも、まだ私の脳内で何かが疼いている。

微動を繰り返しているのに、全然殻を破れない。

私は蛹のまま。

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