キミと、光の彼方へ。
混沌
それから2週間後。

遂にプール開きが明日に迫り、私はたった8人の水泳部のお手伝いをするため、プールサイドに半袖短パン姿でやって来ていた。


「掃除手伝ってくれてありがと」

「いいよ。全然気にしないで。どうせ今日はバイト無くて暇だったし」

「そっか。じゃあ、あと少しよろしく」

「うん」


この前お会いした方は水泳部の部長さんだったみたいで、暇なら手伝ってもらえないかと直々にお願いされた。

本来ならばバイトがあったのだけれど、翌日にずらしてもらった。

その甲斐あって、今日は海里と同じ時間をいつもより長く共有していられる。

それが心の底から嬉しくて、私はデッキブラシしでゴシゴシ汚れを落としていた。

しかし、そんな幸せも束の間。


< 72 / 300 >

この作品をシェア

pagetop