キミと、光の彼方へ。
会沢美海(あいざわみう)。

それがあの子のフルネームだった。

水泳のスポーツ推薦で入学してきた島外の出身者。

身長は152センチの小柄で、水泳をやっているわりには外側の筋肉が少なくて華奢。

髪の毛は腰まで伸ばしてポニーテールに結っている。

顔は卵形で、目も真ん丸で、鼻はすっとしていてすごく可愛いし、美少女って感じ。

明るいけど少し抜けてて天然ぽくて、男子が放っておけないタイプの女の子という印象。

そんな彼女は、やはり水泳部の男子部員からも、それに他の運動部の男子からも人気がある。

だけど、海里といると、特別嬉しそうにするらしい。

部員さんもそれにはいち早く気づいたようで、海里に聞いてみたという。

美海ちゃんのこと、どう思ってるって。

そしたら、海里はなんて答えたか...。

――別に。

その3文字。

だけど、そっぽを向いていたらしい。


< 76 / 300 >

この作品をシェア

pagetop