キミと、光の彼方へ。
「えっとぉ、じゃあ、これで皆引き終わったので、移動して下さーい!」


私は荷物をまとめてバッグに入れた。

椅子をガラガラと引き、立ち上がる。


「桑嶋さん」

「何?」

「ノートとか教科書とか、マジで助かった。桑嶋さんが隣で良かった。...サンキュな」


なんか...悲しそう?

そんな顔されたら、私までちょっと切なくなってくる。

変な感情を伝染させないでほしい。


「こちらこそ、ありがとう。...じゃあ」


私はそう言うとほぼ対角線上の席にそそくさと移動してきた。


「おっ!珠汐奈!わりと近いじゃん!めっちゃ嬉しいっ!」


移動するやいなや、砂良がやって来た。


「砂良、また真ん中くらいなんだ」

「そうなんだよ。つうか、前に橋本くんいるから見えないんだよね~」

「橋本くん大きいからね」


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