キミと、光の彼方へ。
「碧海くん...?」

「ホントだ。あれ、碧海じゃん。もしかして...跳ぶの?」


碧海くんの滑走路の先には高いバーがあった。

あれを越えて行くのが走り高跳び。

気になって大分前に調べたのだけれど、高校生男子の日本記録が2メートル35センチ。

背面で自分の身長より高いバーを越えるなんて凄すぎるって驚いたんだった。

私なんて、50メートルハードルさえも1番低くしてやっと跳べるくらいなのに、背面で2メートルも跳ぶなんて考えられない。

そして、その私には考えられないことをやろうとしている人間が、今自分の視線の先にいる。

碧海くんは酷く緊張しているようで、何度も深呼吸をし、心の準備をしていた。

少しして碧海くんの動きが止まった。

いよいよ、その時だ。

弾むように助走をし、バーに近づいていく。


タンタンタンタンタンタタタタタタっ......。


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