キミと、光の彼方へ。
薄明
最終日の放課後。
私の前の席の海里は授業が終わるとすぐにお弁当を広げ始めた。
これから5時半までずっと泳ぎ続けなければならないのだから、大変だ。
「海里」
「何?」
「今年の大会っていつ?」
「来週末」
「えっ?来週?」
聞いてなかった。
毎年1ヶ月前には教えてくれるのに、なんで今年はこんなギリギリなのだろう。
本当に私のことはどうでもいいんだな...。
ここまで無関心でいられると悲しいって言うより、もう諦め始める。
会沢さんにも勝てる気がしないし、私が海里の心のど真ん中を陣取ることもこれから先無さそう。
このままでは希望が1ミリもない。
どうしたら、海里に見てもらえるようになるんだろう。
私がシュンとしていると、砂良が膨れっ面でやって来た。
「ちょっと~、海里!あんた、そんなことも言ってなかったの?」
「なんだ、砂良か」
「なんだって何よ!ホントあんたってヤツは薄情なんだから!幼なじみが毎年応援しに来てくれるって分かってるんだから、ちゃんと言っておきなさいよ」
「ごめん」
「アタシじゃなくて、珠汐奈に言って」
海里が砂良に尻を叩かれて、ようやく私の方を向いた。
伏せ目がちで少し横を向くのはいつものクセだ。
「珠汐奈、ごめん。今年もよろしく」
「うん、頑張ってね」
と、私と海里だけならここで終わるのだが砂良はさらに先を行く。
私の前の席の海里は授業が終わるとすぐにお弁当を広げ始めた。
これから5時半までずっと泳ぎ続けなければならないのだから、大変だ。
「海里」
「何?」
「今年の大会っていつ?」
「来週末」
「えっ?来週?」
聞いてなかった。
毎年1ヶ月前には教えてくれるのに、なんで今年はこんなギリギリなのだろう。
本当に私のことはどうでもいいんだな...。
ここまで無関心でいられると悲しいって言うより、もう諦め始める。
会沢さんにも勝てる気がしないし、私が海里の心のど真ん中を陣取ることもこれから先無さそう。
このままでは希望が1ミリもない。
どうしたら、海里に見てもらえるようになるんだろう。
私がシュンとしていると、砂良が膨れっ面でやって来た。
「ちょっと~、海里!あんた、そんなことも言ってなかったの?」
「なんだ、砂良か」
「なんだって何よ!ホントあんたってヤツは薄情なんだから!幼なじみが毎年応援しに来てくれるって分かってるんだから、ちゃんと言っておきなさいよ」
「ごめん」
「アタシじゃなくて、珠汐奈に言って」
海里が砂良に尻を叩かれて、ようやく私の方を向いた。
伏せ目がちで少し横を向くのはいつものクセだ。
「珠汐奈、ごめん。今年もよろしく」
「うん、頑張ってね」
と、私と海里だけならここで終わるのだが砂良はさらに先を行く。