二人の距離~やさしい愛にふれて~
「理花ってどんなのが好きなの?好き嫌いとか、正直俺の下手なお粥しか食べてるとこ見たことないし。」

「好き嫌いはあまりなかったかな…辛すぎるのとか苦手で…どうしよう、作ってもらって食べれなかったら…」

「俺が食うって言ってるだろ?安心して頼めよ。ケーキもいっぱいありそうだぞ。」

カウンター横に小さめのショーケースがあり何種類かのケーキが並んでいる。

「じゃあリゾットにしようかな。キノコの。」

「じゃあ頼んでくるわ。」

恭吾は立ち上がるとカウンターの方へ行き、先ほどの店員さんに注文を伝える。
注文をするとすぐに小さめのスープカップにオニオンスープが運ばれてきた。

「ランチのケーキどうします?ベリーのタルトかベイクドチーズケーキか高カカオチョコのガトーショコラ。」

「あぁ…、俺あんまり甘いの好きじゃないんで。理花どれか好きなの頼んでいいよ。それか、別の頼んでもいいし。」

「高カカオのガトーショコラはどちらかというと甘いものが苦手な方向けのビターなケーキになってますよ。」

「へぇ、じゃあ俺はそれで。あと別に食後にケーキいいですか?あの中から選んでいいんですかね?」

「はい。今食べるのが無理なのであればお持ち帰りもできますよ。また声かけてくださいね。」

店員の男性は常に笑顔を絶やさず親しみやすい。
スープはあっさりと薄味で飲みやすく、理花も抵抗なく飲めていた。
理花がスープを飲み終わったタイミングで料理を運んできてくれた。

恭吾ができるだけ量を抑えてほしいとお願いしていたのでプレートの上に先ほどの小さめのスープカップにリゾットが入っており、カップを囲むように先ほどコックコートを着た男性が収穫していた葉っぱや、トマトなどがちりばめられおり、手前にはかぼちゃとレーズンのヨーグルトサラダが丸くアイスのように添えてあった。
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