二人の距離～やさしい愛にふれて～

「可愛い。」

理花はプレート内の料理を見てほほ笑む。

「あっ、そうだ、写真撮ろう。お母さんたちが見たら喜ぶよ。」

「えっ？恥ずかしいよ。」

理花はそう言いながら顔を少し赤らめるが、恭吾がスマホを向けると笑顔で写真を撮られていた。

恭吾の頼んだランチはも大きなワンプレートになっており所狭しと盛り付けてあった。
サラダのドレッシングはミルクポットに入れてあり、初めて食べるようなさわやかなフルーティなソースの様だった。

二人はサラダを食べながら、どこに植えてあるか庭を探しながら食べ、気付けば理花もほとんど食べることができていた。

「すごいな、こんなに食べたのは久しぶりなんじゃないか？草野先生が聞いたらきっと驚くだろうな。」

「うん。今日は不思議と食べられる。吐き気もないし、嬉しい。恭ちゃんのおかげだね。連れてきてくれてありがとう。」

「俺も、嫌がってたのに無理やりだったから心配したけど、楽しめてそうでよかったよ。」

二人が食べ終わるころにはお客さんも増えて店内は賑やかになっていた。
さすがに店員さん１人では対応できずにコックコートをきた男性も出てきてお客さんの対応をしていた。

「いらっしゃいませ。料理はいかがでした？」

コックコートを着た店員さんがお皿を下げに来る。やはり親しみやすい笑顔で声をかけてくる。

「あのっ、お、いしかったです。無理言って…そのっ、ごめんなさい。」

「えっ？いいんですよ～。気にしないでください。お客さん少なかったし、沢山って言われたら困りましたけど１人前だったので。食べられたみたいで良かったです。ケーキもと聞いてますけどどうします？」

「食べたいんですけど、無理そうなので持って帰っていいですか？」

少しリゾットを残していた理花を見て恭吾が店員さんに伝える。

「わかりました。ランチのガトーショコラも一緒に包みますね。」