二人の距離～やさしい愛にふれて～
「そういえば恭吾君のもう一人のお父さんがいらっしゃるんですよね？」

車に乗り込むと誠一が訪ねる。

「えぇ、恭吾の父親と同級生で幼馴染だったんですが、父親が早くに逝ってしまったからその後はみんなでお互いの子供たちを育てたようなもんです。」

「そうですか、良かったらその方にもご挨拶をさせていただきたいのですが。」

「喜びますよ。本当は彼らも会いたがってたんですよ。みんなで九州に行ったときにでも挨拶をって言っていたところです。」

それから茉莉が連絡をし、昌たちも料亭で合流した。
料亭側もよく利用する真たちの要望を快く聞き入れてくれ、料理を用意してくれた。

「なんでヨシまでついてきてるんだよ。」

昌たちの後ろから由彰も入ってきて恭吾は驚いた。

「こんにちは、恭吾の幼馴染っていうか、兄弟みたいなもんです。」

由彰は誠一たちのほうを見て頭を下げる。

「だって、まこちゃんが来てもいいっていうし、ここ旨いだろ？」

恭吾の隣に座ると二人はコソコソと話始める。

「始めまして、中村と申します。恭吾の父親と同級生で幼稚園のころから死ぬまで一緒にいたんですよ。学校も、仕事も。」

「そうだったんですか。始めまして。長谷川と申します。せっかくのお休みに急に押しかけて申し訳ありません。どうしてもご挨拶をと思いまして。」

「いえ、こちらこそ、恭吾がいつもお世話になって、血のつながりはないのにこんな席に読んでいただけてうれしいです。」

昌と誠一が名刺を交換すると、料理が運ばれてきた。
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