二人の距離~やさしい愛にふれて~
3人で美味しいお店の話で盛り上がっていると理花と恵子がお風呂から上がってくる。

交代で恭吾もお風呂に入り、上がってくると理花はリビングで楽しそうに陽斗と話をしていた。
仲がいい兄妹だとは思っていたが、楽しそうに話をしている姿は初めて見た。

「お風呂抜いたけど良かったですか?」

恭吾は恵子に聞く。

「あら、ありがとう。最後に入らせてしまってごめんね。」

「いえ、逆にいつも先に入らせてもらって申し訳ないっす。二人とも仲いいですよね。」

「えぇ、小さいころから陽斗は理花のこと可愛がっててね、理花はいつも陽斗の後ろをついて回ってたんよ。」

楽しそうに話をしている二人を見て恵子は嬉しそうに話す。

「恭吾は寝るの俺の部屋でいい?」

「えっ?」

陽斗が振り返って恭吾に聞くと、横にいた理花が顔をしかめて驚く。

「えっ?理花?」

その反応に陽斗も驚く。

「恭ちゃんは私の部屋で寝るんじゃないの?」

「あぁ、理花は今日はお母さんと寝ることになってるんだ。」

恭吾は慌てて間に入る。

「なんで?恭ちゃんは私のために来てくれてるのに、なんでお兄ちゃんと寝るの?」

みるみる理花の表情が険しくなっていく。

「いや、まぁ、男同士同じ部屋で、理花は母さんと女同士同じ部屋で…。」

陽斗は理花の様子が明らかに変わったのを感じ焦りを感じる。

「理花?とりあえず今日はそうしよう。またいつでも泊まりに来るし。」

恭吾は理花の隣に行くと背中をさする。

「嫌っ、なんで?私が汚いことばかりしてきたから?だから恭ちゃんとキスもしちゃいけないの?私がすること全て許可がいるの?」

理花は興奮し半ば叫ぶように言うと、呼吸が荒くなる。
咄嗟に理花を抱きしめると恭吾は背中をさすり続ける。
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