二人の距離～やさしい愛にふれて～
恭吾は大学の学食で由彰を待っていた。
その間にスマホを見るも期待している相手からはメッセージは無く、母親の茉莉からメッセージが来ていた。

『おはよう。昨日は帰って来なかったみたいだけど、今日は帰って来ますか？夜に真さんが外食しようって言ってるよ。必ず返事ください！』

「俺なんか誘わずに二人でデートすりゃぁいいのに…」

恭吾はメッセージを読むと小さく呟いた。

「何にやけてんの？」

恭吾が顔を上げるといつの間にか由彰が目の前に立っていた。

「にやけてねぇよ。ってかお前…よくも俺ら残して帰りやがったな！」

「ハハッ、仲良くやってたじゃん。俺、お前とする趣味ねぇし。あの女じゃピクリとも反応しねー。」

由彰は恭吾の向かいの席に座り、顔を歪ませた。

「で？あれからどうだった？」

「はっ？帰ったヤツには教えねーよ。それより今夜バイト？」

「いや、無いけど…今夜も行くのか？」

由彰は驚いた顔で恭吾を見た。

「違うよ。まこちゃんからご飯誘われたんだけど…」

「行くっ！まこちゃん太っ腹だからな、旨いもん食わしてくれるだろ！」

「いやいや、お前は誘われてねーよ。ヨシがクラブ行くなら断ろうと思って。」

「えぇ～！なんでだよ！なんならうちの親も誘ってみんなで行けばいいじゃん。」

グイグイと乗り気な由彰に対して恭吾は行くことを渋っている様子だ。
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