二人の距離~やさしい愛にふれて~
「アル中もだけどもしかするとセックスにも依存症?かも…ヤりたがるのに喜ばねぇし、眉間にシワを寄せたままなんだ…朝起きたら素になってて、いきなり怖がったり…泣いたり…」

恭吾は理花とのことを思い浮かべる。
(素顔は可愛いかったなぁ…あっ、あと抱きしめると大人しくなるのも可愛いかった…)

「へぇ~、朝まで一緒にいたんだとは思ってたよ。服が昨日と同じだし。でもまぁ、大変だったんだな…」

どこか人ごとのように由彰は言った。


その夜はしつこく行きたがる由彰に折れ、家族ぐるみで食事に行った。
茉莉と由実には最近の二人の夜遊びについて愚痴られ、昌にそれを笑われていた。

「遊ぶのもいいけど、ちゃんと避妊だけはしろよ。あと、人のモンに手を出したり、弄んだりはするなよ。遊ぶ相手は選べ。」

と昌は言うが、

「昌は黙ってて!はぁぁ、本当に若い頃の昌たちにそっくり!」

と由実は怒っていた。

「本当に、危ないこととか、ひどいことは絶対しないでね。」

険しい顔で茉莉は二人に言うが、恭吾は「はいはい」と返事をするだけだった。

「まぁ、親ってものはいつまでたっても心配するもんだ。さぁ、せっかく集まったから楽しく食べよう。」

雰囲気を変えようと真が言うと、由彰は喜んでご飯を食べ始めた。
美味しそうにご飯を食べる子の姿はいくつになっても可愛いものだと茉莉は二人を眺めていた。
そんな茉莉の姿を真は隣で優しく見つめていた。
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