二人の距離～やさしい愛にふれて～
「なんだよ、お婿って。行かないよ。それより先にまこちゃんだろ。」

そういうと電話の向こうで楽しそうに真と茉莉の話声が聞こえてきた。

『まぁ、その話は追々な。』

『恭吾たち、朝ご飯はどうするの？』

電話を茉莉と変わったらしく、電話口から茉莉の声がする。

「朝起きたらそっちに行くよ。母さんも今日はありがとう。」

『フフッ、理花さんかわいらしい子だったわね。理花さんが恭吾を選んでくれたらいいわね。私も理花さんみたいなお嫁さんだったらうれしいわ。』

「話が飛躍しすぎ。まだまだ先だろ。でも、ありがとう。」

電話を切ると恭吾は寝室に行き、ベッドに入るとしばらく理花の寝顔を見つめていた。


翌朝先に目が覚めたのは理花だった。
自分がどこにいるのかわからずに混乱したが、すぐに横で寝ている恭吾に気づき恭吾の家だと思い出す。

初めて会った日の翌朝もこんな感じだったなと思い出し、理花は小さく笑っていた。
今までは当時のことを思い出すと苦しくてたまらなかったが、自然と笑える自分にびっくりした。

「そっか、私恭ちゃんがいたらこんなに幸せなんだ。」

理花は恭吾の寝顔を見つめてつぶやく。
ソロっとベッドから抜け出るとリビングへ行く。ドアを開けるとふわっとコーヒーの匂いが漂っていた。
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