二人の距離~やさしい愛にふれて~
「何笑ってるんだよ?」

恭吾は今まで以上に優しい顔で理花を見る。
理花はその笑顔に胸が高鳴り涙が出そうになる。

「昨日恭ちゃんのお母さんと見た写真思い出したの。恭ちゃん可愛かったなあって。」

理花は恭吾の前に行くと自分から抱きつく。胸に耳を当てると恭吾の鼓動が聞こえる。そのリズムが少し速くなるのがわかりまた小さく笑う。

「あっ、また笑った!こいつ~!」

恭吾は理花を力いっぱい抱きしめ返した。

「キャハッ、苦しいよ~。」

「はぁ~、もう理花のこと抱きしめたりできないと思ってた…」

「…うん。」

「好きだよ。俺はこの半年幸せじゃなかったよ。」

「うん。」

「なぁ、一緒にいろよ、そして俺のこと幸せにしてくれない?」

「………本当に私でいいの?」

「理花じゃないとダメっ…」

恭吾の目からは涙が流れ落ち理花の頭に落ちる。
驚いた理花が顔を上げると恭吾の唇が理花の唇に重なる。
恐る恐る恭吾の舌が唇を割って入り込んで来る。久しぶりの感覚に理花は動揺し恭吾の服を掴む。

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