二人の距離~やさしい愛にふれて~
その言葉に恭吾の鼓動が速くなり、自分の服を掴んでいる理花の手を上から握る。

「正直俺も元気なお年頃だろ?何回も止めるのきついし…。」

「止めなくていい、…止めなくていいよ。」

目に涙を溜め、自分をまっすぐ見つめてくる理花を見てどうしたらいいのかわからなかった。
拒否することが正解か、受け入れることが正解か。
ただ、恭吾も諦めていた理花が目の前に現れ可愛く自分を求めてくれているということで半ば理性を失いかけてもいた。

「…うぅ~、俺は…。」

少し考えるが、考えても答えは出ずそんな自分がもどかしくなり考えることを止めた。

「わかった、行こう。」

恭吾はそう言うと理花の手を引き、歩き出した。
駅の裏には何件かホテルがあり、迷わず中に入る。

部屋の中に入り、ドアが閉まると恭吾は理花を力いっぱい抱きしめる。

「今なら引き返せる。焦ってすることじゃないだろ?」

「恭ちゃん、私焦ってない。焦ってるかもしれないけど焦ってしたいわけじゃない。恭ちゃんが好きで、だから…。」

「なんだよ、それ。日本語おかしいぞ。」

恭吾は笑うと、理花にキスをする。
本当はもう自分を抑えるのが限界まできている恭吾は焦らないようにって自分に言い聞かせながらも強引に舌を理花の口内に入れると激しく舌を絡める。

「…っん、ふっ、んっ…」

急に深くなるキスに理花は身体をビクつかせながら恭吾の背中にしがみつく。
恭吾は理花を抱き上げると中に入って行き、ベッドの上に押し倒した。

「…はぁ、理花、ごめん、優しくしたいけど、無理かも…」

「いいよ、恭ちゃんだからいいよっ。」

理花が言い終わらないうちに恭吾はまたかぶり付くように口を塞ぐ。
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