二人の距離~やさしい愛にふれて~
「いらっしゃい、よく来てくれたね。」

誠一は恭吾を見ると嬉しそうに挨拶をする。

「お久しぶりです…遅くなってすみません…。」

「いやいや、理花が世話になって、本当にありがとう。」

誠一は深々と頭を下げる。

「そんなっ、頭上げて下さい。」

「さぁ、座って、お茶でも飲みながら話をさせてもらえないか?」

誠一はテーブルのイスを引き座るよう促す。

「…はい。」

恭吾は後ろめたさがあり誠一の顔を真っ直ぐ見れなかった。
そんな恭吾を見て誠一は嫌がっていると勘違いしていた。

「悪かったね、あんな風に別れたきりで突然…あまりいい気はしないだろ?」

「あっ、そんな事…ないです…。」

「パパ、ママ、私…やっぱり恭ちゃんが好きで…突然いなくなってごめんなさい…。」

理花はまた涙を流しはじめる。そんな理花の肩を抱き、恵子は恭吾の隣のイスに座らせる。

「理花は一言どこに行くか言って行きなさい。どれだけ心配しとったか…。無事で安心したよ。」

誠一は珍しく少し強めに理花に言う。

「はい。」

俯いたまま理花は返事をする。

「あのっ、昨日久しぶりに理花に会って、俺も…やっぱり理花が好きで諦めきれなかったんです。」

恭吾は理花の手を掴むと真剣な顔で誠一を見る。

「ありがとう、そんな風にまだ理花のこと好いてくれとって本当に感謝しかないよ。」

「あのね、私たち、セックスしたの。」

理花が誠一と恵子を見てそう言うから陽斗は思わず立ち上がり「理花!」と叫んだ。

「陽斗、少し落ち着きなさい。そうか…、」

誠一は困った顔になると一つ頷いた。

「でも、普通のことじゃないの?レイプされた私はあんな事してたし…だがら好きな人としちゃダメ?許可がいるの?」
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