二人の距離~やさしい愛にふれて~
それから恭吾は毎日理花の家に通った。
理花は不安定で、お酒を飲んでいる日もあったが飲まずにいる日の方が多かった。
そして二人の間に会話も増え、極たまにだが笑顔を見れる日もあり、恭吾はその笑顔がたまらなく可愛いと思っていた。

また、理花も毎日恭吾が帰って来てくれることが嬉しくて待ち遠しくてたまらなかった。
外見にも気を使うようになり毎日お風呂に入り、髪をとかした。
でも一人で過ごす時間のほうが圧倒的に長く、日中はずっと時計と睨めっこしていた。

そんなある日、昼に帰ってきた恭吾がダメ元で理花に外へ行こうと誘ってみた。
今まで夜にセックスする相手を探す為にしか外出をする事がなかったのだ。

「……行く。」

少し間があったが、返ってきた言葉に恭吾は驚いた。思いもよらず肯定的な言葉が返ってきたことが嬉しかった。

「どこか行きたいとことかないのか?」

「う~ん、恭ちゃんがいつも行く所がいいなぁ。」

「俺かぁ…あっ、じゃあ遊びに行こう!」

恭吾は少し考え、思いたったように理花の腕を引いて外へ連れ出した。
理花は手を引かれるままに恭吾のあとをついて行った。行き先を訪ねはしなかったが久しぶりにワクワクしていた。

行った先は恭吾が高校生の頃よく行っていたゲームセンターだった。
そこはクラブとはまた違う賑やかさがあった。
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