二人の距離~やさしい愛にふれて~
「まぁ、ヤバイやつらに捕まってないといいけどな。」
その日は講義が終わると理花のマンションへと急いだ。
恭吾の期待とは裏腹に理花が帰ってきた形跡はどこにもなかった。
しばらく手付かずのままの朝食をながめているとスマホの着信音が鳴った。
画面には『母さん』と表示されている。
「はい」
『最近帰ってきてないみたいだけど元気にしてるの?真さんも心配してるんだからたまには家に顔を出しなさい。』
「わかってるよ。大丈夫だから。」
『今日のお昼にニュース見てお母さんも心配してたのよ。近くで嫌な事件があったみたいだから…巻き込まれてたりしたらって思うと…。』
電話の向こうの茉莉は鼻声になり、泣いているようだった。
恭吾は母親の涙に弱く、いつもは強い分たまに過剰に心配して泣き出す母を放っておくことができなかった。
「今日は母さん仕事は?」
『今日は日勤だったからこれから帰るわ。』
「じゃあ俺も今から帰るよ。」
『わかったわ。じゃあご飯作って待ってる。いい、ちゃんと車見て、気を付けて帰ってくるのよ。』
「俺いくつだよ。気を付けるから。じゃあ、後で。」
電話を切るとやり場のない焦りに頭を掻いた。
理花も心配だったが母親も気になり、気ばかりが急いていた。
恭吾は母親の過剰な心配は父親が事故で死んだことが原因だとわかっていたから突き放すようことは出来なかった。
その日は講義が終わると理花のマンションへと急いだ。
恭吾の期待とは裏腹に理花が帰ってきた形跡はどこにもなかった。
しばらく手付かずのままの朝食をながめているとスマホの着信音が鳴った。
画面には『母さん』と表示されている。
「はい」
『最近帰ってきてないみたいだけど元気にしてるの?真さんも心配してるんだからたまには家に顔を出しなさい。』
「わかってるよ。大丈夫だから。」
『今日のお昼にニュース見てお母さんも心配してたのよ。近くで嫌な事件があったみたいだから…巻き込まれてたりしたらって思うと…。』
電話の向こうの茉莉は鼻声になり、泣いているようだった。
恭吾は母親の涙に弱く、いつもは強い分たまに過剰に心配して泣き出す母を放っておくことができなかった。
「今日は母さん仕事は?」
『今日は日勤だったからこれから帰るわ。』
「じゃあ俺も今から帰るよ。」
『わかったわ。じゃあご飯作って待ってる。いい、ちゃんと車見て、気を付けて帰ってくるのよ。』
「俺いくつだよ。気を付けるから。じゃあ、後で。」
電話を切るとやり場のない焦りに頭を掻いた。
理花も心配だったが母親も気になり、気ばかりが急いていた。
恭吾は母親の過剰な心配は父親が事故で死んだことが原因だとわかっていたから突き放すようことは出来なかった。