二人の距離～やさしい愛にふれて～

「理花の部屋に倒されたままになっている棚があるんです。それを起こそうとしたら必死で抵抗されて…でも理花がいないときに俺見ちゃって…法律関係？の本が沢山ありました。中見るとびっしりと勉強した跡があって…てっきり他のだれかのだと思ってた。」

「そうか、彼女の家には彼女とは別の誰かがいた形跡があったのかな？」

「いえ、ただ俺の知ってる理花には似合わないというか…難しそうな本とかクローゼットの中にある可愛い服とか…。あいつの気持ち悪い化粧をして変なワンピース着た姿しか知らないから…。」

「そうだったんだね。こんなこと聞くと気分を害するかもしれないけど、彼女の男性関係について知っていることがあったら教えてほしい。」

恭吾が答えられることは少なく、ほとんど理花について知らなかったのだと思い知らされているようでイラつきを隠せなかった。
それでも落ち着いて受け答えをしなければと深呼吸をして答えた。

「初めて会ったクラブで男を漁ってるって聞きました。それは本人からじゃなくて…友達から。声かけられた時に一緒にいた友達が大学の友達に聞いたって言ってました。その時しかそのクラブで理花を見たことはありません。その時にガラの悪い男たちに声かけられているのを見たくらいです。ただ、夜出て行って帰ってこないときは男たちとヤッてきたんだろうなって思います。」