二人の距離~やさしい愛にふれて~
「僕が知ってることをまず言うね、理花さんと会ったのは1月ごろでその頃にはもう理花さんは被害に遭った後であり男性との関係に依存していた。合ってる?」

恭吾は頷く。

「君と理花さんの間に体の関係、性交渉はあったのかな?」

恭吾は一瞬戸惑った顔をしたが、頷いた。

「それは頻繁に?」

「いえ、初めて会った時と…理花の家で1回。それからはないです。」

「そうか、じゃあ君と一緒にいても理花さんは他の男性と関係を持っていたということでいい?」

「…はい。」

「それなのに芹沢君は理花さんの家にいたの?」

「何かに苦しんでるのは気づいてて、毎日理花の家に行ってそばに居ました。初めのうちは酒を飲まない日もよくあって、ぼさぼさだった髪をきれいにしたり、たまに部屋の掃除してたり、だからこのままそばに居たら落ち着くと思ってました。でもある日突然夜いなくて…それから少しずつ頻度が増えていきました。最後の方は夜家にいても酒は毎日飲んでたと思います。」

「そっか、確かにアルコールにも依存しているような感じだったね。うちに転院してきたときは半狂乱になることがあってね、よくお酒が飲みたいって叫んでたよ。」

理花が半狂乱になったと聞き、恭吾は息が吸えないような感覚になった。泣くことはあっても叫んだりすることはなく想像もつかなかった。
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