冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
家政婦さんに聞いたら、誰も上手に活けられなかったから枯れてしまった、と話していたっけ。
それがあまりにも悲しくて、お兄さまにも申し訳なくて……。
それなら次に花束をもらった時は自分が活けられるようになっておこう! と決意し、小学生の頃に華道を習うキッカケとなった。
まあ、次の機会はついぞ巡って来なかったけれど……。
その次の年から祖父が亡くなるまで、櫻衣家ではクリスマスパーティーが開かれ、年々規模は大きくなっていった。
だがいつも祖父がどこか寂しそうにしていたのは、宗鷹さんを待っていたかからもしれない。
「どうして、クリスマスパーティーに来なくなってしまったんですか?」
「それは……櫻衣家に迷惑をかけたからだ。澪にも嫌な思い出を残してしまって、本当に悪かったと思っている」
「……それって、もしかして『あの件』ですか?」
いまだに『あの件』が何なのかわからず尋ねると、それをどう受け取ったのか、彼は自嘲気味な笑みを浮かべる。
それがあまりにも悲しくて、お兄さまにも申し訳なくて……。
それなら次に花束をもらった時は自分が活けられるようになっておこう! と決意し、小学生の頃に華道を習うキッカケとなった。
まあ、次の機会はついぞ巡って来なかったけれど……。
その次の年から祖父が亡くなるまで、櫻衣家ではクリスマスパーティーが開かれ、年々規模は大きくなっていった。
だがいつも祖父がどこか寂しそうにしていたのは、宗鷹さんを待っていたかからもしれない。
「どうして、クリスマスパーティーに来なくなってしまったんですか?」
「それは……櫻衣家に迷惑をかけたからだ。澪にも嫌な思い出を残してしまって、本当に悪かったと思っている」
「……それって、もしかして『あの件』ですか?」
いまだに『あの件』が何なのかわからず尋ねると、それをどう受け取ったのか、彼は自嘲気味な笑みを浮かべる。