続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「奈津美? どうしたの?」
いつもと様子の違う奈津美に、カオルは真剣な顔になって尋ねた。
奈津美は下を向いたまま、口を開いた。
「……今まで、まともに考えたことなんてなかったけど……このままだったらダメなんだなーって思って。あたしと旬……」
「っていうと?」
「旬は……フリーターでちゃんと安定した仕事してないから……今はよくても、ずっとこのままでいていいわけじゃないじゃない」
「ああ……そういうこと」
奈津美は黙って頷いた。
「彼氏君て、浪人とかじゃなくて働くって言ってるんだっけ。就職活動っていうか、そういうのはしてないの?」
「ううん。何も言わないし、あんまりそういう素振りはないから、多分してないと思う」
旬の様子を見ると、就職に対してのことは何もしてないようだった。
就職の情報誌などを見てるでもないし、部屋からもそういったものは見つからない。
それどころかほぼ毎日バイトに勤しんでいて、それで楽しそうなのだ。
「もしかしたら、今のバイト生活で満足してるんじゃないかって感じもするのよね。ちゃんとした職に就いてなくても、なんとか生活はできてるわけだし。……でも、それで生活はできても何の保障はないわけじゃない」
「うん。確かに」
「そんなので……結婚なんて言われても……どうしようもないっていうか……」